各国の人々との交流を通じて肌で感じたことは、人間の善性でした。そのことを、このブログを通じてお伝えしたいと願っています。

右手の指で食事をする国

アジア最貧のイスラム国家

イギリス植民地だったインドが1947年に独立する際、ヒンズー教徒とイスラム教徒が対立した結果、ヒンズー教徒の国インドとイスラム教徒の国パキスタンが分離した。パキスタンはインド西側の西パキスタンと東側の東パキスタンで構成されていたが、双方が1000km以上も遠く離れていたため1971年に東パキスタンがバングラデシュとして独立、西パキスタンは「パキスタン」と改名した。この際、西パキスタン側との間で独立戦争が引き起こされ、インドが介入したことにより第三次印パ戦争が勃発している。

そんなバングラデシュでの内部監査が、マレーシアに続く私の業務だった。シンガポール経由で首都ダッカに私が降り立った1年後、日本赤軍がこの空港で日航機をハイジャックする事件が引き起こされている。ダッカに本社を置くシンガーミシンの現地子会社での監査はやはり3週間。マレーシア同様、イギリス植民地だったこともあって、英語を話す人が多かったのは幸いだ。

現地の経理部長の話では、バングラデッシュのイスラム教徒数はインドネシア、パキスタンに次いで世界で3番目に多い1億5000万人以上とのこと。人口は1億6940万人(2021年時点)。ミシンに関連する衣料品の世界輸出シェアこそバングラデシュは中国に次ぐ世界第2位を誇るが、長い間アジア最貧国であり続けている。日本からのODA(政府開発援助)も長年続けられており、ホテルからタクシーでの通勤途中に渡った橋も日本の援助で作られたと運転手から聞いた。「この橋のおかげで我々の交通の便が良くなった」と、彼は感謝していた。

国が異なれば習慣も異なる

バングラデシュの食事はご飯に魚類のカレーやレンズ豆カレーが一般的と聞いていたが、フィリピン人の監査人は「バングラデッシュ風のカレーは辛いので中華料理店で食べよう」と言っていた。確かに、辛い料理が多いのだ。

イギリスの影響でフォーク、ナイフ、スプーン等で食べる人もいれば、右手の指で皿の上の料理を上手に混ぜて直接口に入れる人もいた。その器用さに感心するとともに、「国が違えば習慣もさまざまだな」と思ったものだ(指を頻繁に動かすことは脳の活性化につながることを、当時の私は知る由もなかった)。

 

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