各国の人々との交流を通じて肌で感じたことは、人間の善性でした。そのことを、このブログを通じてお伝えしたいと願っています。

金のネックレスの苦い思い出

兄嫁の家族をホテルのレストランに招待

タイの子会社が用意してくれたバンコクのホテルは、オフィスから近かった。バンコク中心部の混雑具合は大変なものだったので、徒歩通勤を基本にした。ところでこのタイという国には浅からぬ縁がある。このブログの55回目『大陸横断の旅(下)』で触れた通り、米海軍の電気技師としてバンコクの海軍基地に勤務していた兄が、タイ人女性と知り合って結婚しているのだ。だから私も、「タイで奥さんになる人が見つかるかも」という淡い期待を抱いていた(その期待は叶わずだったけれど)。

だからというわけではないが、せっかくバンコクにいるのだからと兄嫁の両親と兄弟姉妹をホテルのレストランに招待した。そしてその折、ご両親から18金のネックレスをいただいてしまった。けれど私には金やダイヤモンドへの興味は皆無。どう扱っていいかわからなかった。数日後、フィリピン人の内部監査人から「ネックレスいらないんなら頂戴!」と求められるままにあげてしまった。彼は喜んで身につけた。喜んでもらってくれる人がいたので一安心だ。

数カ月後、アメリカに戻って兄の自宅へ寄った際、兄嫁から「金のネックレスはどうしたの?」と尋ねられた。素直に「フィリピン人の同僚にあげたよ」と答えたら、一瞬にして悲しい顔になってしまった。この時、初めてコトの重大さに気がついた。タイの人たちにとって、18金のネックレスは非常に高価なのだ。いくら興味がないからとはいえ、いただいたものは大切にすべきであった。猛烈に反省した。

一度は僧侶になるタイ人男性

金のネックレスという高級品とは対照的な思い出話がタイにはある。
ある晩、経理部長が我々内部監査人と彼の部下をタイ風中華料理店に連れて行ってくれた。大皿をシェアして食事を楽しんでいたら、経理部員が「何か固いモノがある」と言って口の中にある食べかけを出した。見ると、なんとゴキブリがそのままの姿で料理されていたのだ! 我々はギョッとしたが、彼曰く「ゴキブリは漢方薬にも使われているから大丈夫」とそのまま食べてしまった!

ゴキブリが一緒に料理されたということは、私もゴキブリのエキスを採り入れたことになる。心配したけれど、幸いにもお腹を壊すことはなかった。タイのゴキブリは小型だったけれど……そういう問題ではないですね。

その晩、タイ人の経理部長が興味深い話をしてくれた。この国の人口の90%以上は仏教徒で、男性は生涯に最低一度は僧侶になるというのだ。彼も数年前に僧侶になって修業をしたという。その時は坊主頭にしたと当たり前のように話していた。

 

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