8カ月間の海外ホテル暮らし
日本での内部監査を終えてニューヨーク本社に戻ったのが1976年10月初旬。2月に業務用ミシンの大阪子会社の内部監査をしてから8カ月間、海外のホテルで暮らしたことになる。8カ月間の海外出張は長いと思ったが、終わってみれば早いものだった。どの国も、今までほとんど訪れたことがなかったことが私を飽きさせなかった。出会った各国の人たちの親切さにも常に感謝感激だった。
仕事面でも、内部監査の経験がない中で一緒に働いた香港系アメリカ人からのアドバイスや日本子会社社長から学んだことがその後の内部監査に大きく役立った。海外子会社の内部監査では子会社の粉飾決算や不正、および本社の運営方針を全うしているか否かをチェックするが、一連の内部監査では大きな問題がなかったことも嬉しかった。
ホノルル空港での理不尽な扱い
日本からニューヨークへ戻った際にはハワイのホノルルで1泊したのだが、ホノルル空港の通関では嫌な思いをさせられた。何故か別の部屋に連行されパンツ1枚にさせられて、数人の検査官が靴の中、衣類の中までチェックした。何も出てこないから「行ってよい」と言われたが、何が起きているか説明を求めたものの誰も答えてくれなかった。どうにも納得がいかない。そのうえ同様の事態にその後も毎度のように見舞われることになったのだ。その後ホノルル空港で3回目の検査に見舞われた際、検査官たちは例によって何も説明せず、笑ってもいたのだ。
さすがに頭にきてハワイ大学時代の友人にこの話をしたら、彼の友人がハワイ州選出のダニエル・イノウエ上院議員の秘書に問い合わせてくれた。即座に届いたイノウエ議員の秘書からの手紙には「ホノルル空港の通関官たちと話し合った結果、貴殿の処遇には問題がなかったことが判明したが、今後はこの様な不愉快な問題は起きない」「もし同様の問題が再度起きればすぐに連絡するように」と書かれてあった。
その言葉通り、以来ホノルル空港の通関ではスムースに入国できるようになった(余談だが、ヨーロッパでの内部監査時はニューヨーク空港の通関で、南米での内部監査の際はロサンゼルス空港の通関で、いずれもスムースに入国できた)。
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